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こんにちは、れんです。
吹き抜けは、間接照明がよく映える場所です。高い壁と天井は光を受け止める大きなキャンバスで、うまく照らせば開放感が夜まで続きます。
ただ、失敗も多い場所です。夜になると上部が真っ暗な穴のように見える。電球が切れたのに手が届かない。カタログどおりの器具を選んだのに暗い——どれも設計段階で防げたはずのものばかり。この記事では、吹き抜けの光の設計を、プロが実際に気をつけている順番でお話しします。
この記事でわかること
- 夜の吹き抜けが「暗い穴」に見える理由と防ぎ方
- 梁や壁を使った間接照明(コーブ・コーニス)の作り方
- 天井高による明るさの補正(3mで1.5倍、4mで3倍)
- 高所メンテナンスの鉄則:交換できない場所に器具を置かない
夜の吹き抜けは「暗い穴」になりやすい
昼間は光にあふれる吹き抜けが、夜は一転して天井の見えない暗がりになります。人の目は明るい場所に引き寄せられるので、下の生活空間だけ照らすと、上部の暗さがぽっかりと穴のように感じられる。せっかくの開放感が、夜は不安感に変わってしまうんです。
対策はシンプルで、上部にも光の居場所を作ること。天井や上部の壁をほんのり照らすだけで、空間の輪郭が夜も生きて、吹き抜けは一日中「気持ちのいい高さ」になります。

上部を照らす3つの方法
- 梁の上にライン照明(コーブ)……吹き抜けに梁があるなら特等席です。梁の上に器具を隠して天井へ向ければ、光の出どころが見えない上質な明かりに
- 壁の上部を照らす(コーニス・スポット)……壁付けのスポットやブラケットで上部の壁面を照らす方法。梁がない吹き抜けでも使えます
- 高窓(ハイサイド)まわりを活かす……カーテンボックスや窓上の袖壁に器具を仕込むと、昼は自然光・夜は間接光と、同じ場所が一日中光の入口になります
いずれも共通のコツは、光源を視線から隠すこと。吹き抜けは見上げる空間なので、下から器具の中身が見えない位置・角度に置くのが鉄則です。
明るさは「距離の2乗」で減る
吹き抜けでカタログどおりに器具を選ぶと暗くなるのは、適用畳数の表示が天井高2.4m前提だからです。光は距離の2乗に反比例して弱くなるので、天井が高いほど床に届く光は急激に減ります。
目安は、天井高3mで約1.5倍、4mで約3倍の明るさが必要。吹き抜けの照明計画は、この補正を織り込んでから器具を選びます(天井高別の補正表は、別記事で詳しくまとめます)。
もうひとつの解決策は、高いところから照らすのを諦めること。壁付けスポットやペンダントで光の位置自体を下げれば、補正に悩む必要がなくなります。生活空間の明るさは低い位置の照明でまかない、上部の光は「雰囲気担当」と割り切る。これが実務でよく使う組み立てです。

鉄則:交換できない場所に器具を置かない
吹き抜けの失敗で、あとからじわじわ効いてくるのがこれです。
脚立が届かない位置の器具は、電球が切れたら業者を呼ぶことになります。足場が必要になれば、費用は電球代の何十倍にもなります。
- 器具はできるだけキャットウォークや2階の手すりから手が届く位置に
- 手が届かない位置に置くなら、寿命の長いLED一体型を選び、切れたら器具ごと交換する前提で計画する
- 昇降式の器具(電動やワイヤーで降ろせるタイプ)も選択肢
「その電球、誰がどうやって替えますか?」——吹き抜けの照明計画は、この質問に答えられる状態で決めてください。
シーリングファンとの組み合わせ
吹き抜けの定番、シーリングファンライトは「空気も光も回す」一石二鳥の選択肢です。暖房時に上へたまる暖気を降ろしてくれるので、照明としてだけでなく空調の補助としても働きます。羽根が光を横切ってちらつかないよう、ファンと照明が一体設計のモデルを選ぶのがコツです。

まとめ
- 夜の吹き抜けは上部が「暗い穴」になりがち。上部にも光の居場所を
- 梁上のコーブ・壁上部のコーニスで、光源を隠して照らすのが基本
- 明るさは天井高3mで1.5倍、4mで3倍の補正を。低い位置の照明との分担も有効
- 「電球を誰がどう替えるか」に答えられない場所に、器具を置かない
吹き抜けの光がうまくいくと、家の中に「夜も気持ちのいい高さ」が生まれます。設計段階の方は、ぜひ図面のうちに照明まで決めてください。
れん
