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こんにちは、れんです。
「部屋を広く見せたい」と相談されたとき、照明のプロが真っ先に考えるのは、家具の配置でも壁紙の色でもなく、壁を照らすことです。
人の目は、明るい面に視線が向かい、明るい面までを「空間」として認識する性質があります。部屋の奥の壁が明るいと、視線が奥まで伸びて、同じ広さの部屋でも広く感じるんです。今日はこの原理を活かす「コーニス照明」の話をします。
この記事でわかること
- 壁が明るいと部屋が広く見える理由
- コーニス照明の仕組みと納まり(カーテンボックス一体型)
- 陰影が映える壁素材の選び方
- 賃貸でもできる「壁を照らす」代替テクニック
なぜ壁を照らすと広く見えるのか
天井の真ん中に1灯だけの部屋では、光は部屋の中央にたまり、壁際は薄暗くなります。すると視線は中央で止まり、部屋の輪郭がぼやけて、実寸より狭い印象に。
壁面を明るくすると、逆のことが起きます。部屋の輪郭(壁)がはっきり見え、視線が奥まで届く。天井を照らすコーブ照明が「高さ」を出すのに対し、壁を照らすコーニス照明は「奥行きと広がり」を出す——プロはこう使い分けています。

コーニス照明とは:壁を「上から洗う」建築化照明
コーニス照明は、天井際に仕込んだ光源で、壁を上から下へ洗うように照らす建築化照明です。ポイントは光源を幕板(まくいた)で隠し、光だけを壁に見せること。
定番の納まりが、カーテンボックスとの一体化です。窓まわりに元々あるカーテンボックスを少し延長・拡張して照明を仕込めば、見た目の変化なしに「夜はカーテンが光のスクリーンになる」上質な窓辺が作れます。

設計のポイントは3つです。
- 光源は壁から100〜150mm離す……近すぎると壁の上端だけが強く光ってムラになります
- 幕板は光源が隠れる深さに……立った人の視線から光源(ライン照明の粒々)が見えたら台無し。図のように視線の角度で決めます
- 光は壁の下まで届かなくていい……上から2/3ほどがなだらかに明るければ、目は「明るい壁」と認識します
壁の素材で効果が変わる
コーニス照明は「壁の質感を見せる照明」でもあります。上からかすめる光は、素材の凹凸を陰影として際立たせるからです。
- 相性が良い壁……塗り壁、タイル、エコカラット、木板張り。凹凸の陰影が高級感になります
- 注意が必要な壁……ツルツルの光沢面は光源が映り込みやすい。また、施工精度の低い平滑なクロス壁は、下地の凹凸(不陸)まで照らし出してしまうことがあります
新築・リノベでコーニスを入れるなら、照らす壁だけ素材を良くするのが費用対効果の高いやり方です。
賃貸でもできる:「壁を照らす」の代替3案
建築化照明が無理でも、原理は同じです。壁に光を当てれば、部屋は広く見えます。
- アッパーライト型のフロアスタンド……壁際に置いて壁と天井の角へ光を向ける。1灯で壁の一角が明るくなります
- ダクトレール+スポットライト……引掛シーリングにダクトレールを付け、スポットを壁に向ける。絵やポスターを照らせばギャラリーの雰囲気に
- テープライトをカーテンボックスに……既存のカーテンボックスの内側に貼るだけで、簡易コーニスが完成。賃貸でも原状回復できます

まとめ
- 人は明るい面を空間として認識する。壁が明るい=広く感じる
- コーニス照明は壁を上から洗う建築化照明。カーテンボックス一体型が定番
- 光源は壁から100〜150mm・幕板は視線から光源が隠れる深さに
- 凹凸のある壁素材ほど陰影が映える
- 賃貸はアッパースタンド・スポット・テープライトで同じ効果を作れる
広さは、間取りだけで決まるものではありません。壁をひとつ照らすだけで、いつもの部屋の輪郭が変わって見えますよ。
れん
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